「今を生きる」とある変化が訪れる

先日、女優の竹内裕子さん(40)がなくなられました。死因は自殺ではないかということです。僕はこの死に無関心ではいられなかったのです。死因が気になったからです。彼女のファンでもなければ、知り合いでもありません。知ってることと言えば朝の連ドラの「あすか」に出演していたことくらい。年齢も僕と近く、親近感のある女優でした。そんな彼女が自殺だなんて思いもよりませんでした。このところ、芸能人の自殺が相次いでいる。記憶に新しいので言えば、三浦春馬さん(享年30)、藤木孝さん(享年80)。

芸能界にうとい僕にとって一番身近に感じる彼女の死は、「命」について考えるきっかけになりました。「命」について若輩者の僕が語るにふさわしいかどうかわからないが、今回の事件をきっかけに考え、ある真実と思いを書き綴りました。

ある事実

人間は、100%死にます(あたりまえのことだけど)。しかし、この、あまりにもあたりまえの真実を普段意識して暮らしていません。僕もそうです。歯を磨きながら、死ぬことなんて考えませんよね。しかし、考えても考えなくても確実に生命の終わりに向かって生きています。私たちは人生という列車に乗って旅をしているかのようです。運命という進路に進みながら走っていて、いつ自分が降りる停車駅に着くかどうかわかりません。「お客様、次の停車駅が降りる駅です」って誰も言ってくれないのです。突然、停車駅に止まり降りる順番がやってくるのです。

しかし、自分で命を絶つというのは、自分の降りる停車駅についてないにもかかわらず、列車から降りることを意味します。

だれだって、長く生きていれば、停車駅を待たずに降りたいと思うことがあるのではないでしょうか?

この考えを回避する方法が2つあります。

①今を生きる

人は誰しもいつかは死にます。自分が降りる停車駅に着くかどうかわからないのであれば、僕はいつ停車駅に着くかなんて考えなくて良いと思います。断っておきますが、命の大切さについて考えるなということではありません。停車駅を考えて、将来を憂うよりも、「今を生きること」に集中することの方が大切だと気づいたからです。

停車駅に着く前に、僕たちはやらなければならないことがあります。未来を見ることでもなければ、過去を顧みることでもない。今を生きるということです。今、目の前に起こっている現実に注意を払い全力で取り組む。「心を込める」という事です。

ふいにあなたの心は違うことを考えようと自動思考を始めますが、負けないでください。何か取り組んでいることがあれば心を込めてやってみる、また、テレビを見ているのであれば他ごとを考えずに心から観賞する。誰かの事を想っているのなら、心をこめてその人の幸せを祈る。とてもシンプルです。

しかし、なかなかできません。僕も、ついついスマホを見ながらテレビをみたり、うわ言で返事をしてしまいます。食事も心を込めて味わうのではなく、時間に追われて飲み込むように食べてしまいます。でも、そんな時「心を込めよう」と気を取り直して、また今を生きるようにする。その繰り返しでいいと思います。何度も行ったり来たり心を通わすと、そのうち、「心を込めれる」ようになります。

旅の目的は目的地に着くことでありません。旅路の瞬間瞬間をいきること。心を込めて味わうことではないでしょうか?

おかげさま

「心を込める」と少しずつ自分の中に変化が訪れます。実際、僕がそうでした。「今」に集中して物事に「心を込めて」取り組むと、ふとした時考えるのは、以前頭に浮かでくる事とは違いました。以前は、将来のお金の心配や過去に失敗したこと、あの人に言われた一言が腹が立つということでした。しかし、いま、ふと考えることは、「おかげさま」という考えです。少し長いが次の詩集を読んでほしい。

夏が来ると「冬がいい」と言う
冬が来ると「夏がいい」と言う
太ると「痩せたい」と言い
痩せると「太りたい」と言う
忙しいと「暇になりたい」と言い
暇になると「忙しい方がいい」と言う

自分に都合のいい人は「善い人だ」と言い
自分に都合が悪くなると「悪い人だ」と言う

借りた傘も 雨が上がれば邪魔になる
金を持てば 古びた女房が邪魔になる
所帯を持てば 親さえも邪魔になる

衣食住は昔に比べりゃ天国だが
上を見て不平不満の明け暮れ
隣を見て愚痴ばかり

どうして自分を見つめないのか
静かに考えてみるがよい
一体自分とは何なのか

親のおかげ
先生のおかげ
世間様のおかげの固まりが自分ではないか
つまらぬ自我妄執を捨てて
得手勝手を慎んだら
世の中はきっと明るくなるだろう

「俺が」、「俺が」を捨てて
「おかげさまで」、「おかげさまで」と暮らしたい

上所重助の「おかげさま」より引用

以前の僕は、”自分の”未来について憂い、”自分の”過去について後悔していました。つまらぬ自我妄執に囚われ、悲劇の中心人物と見ることしか考えられず、 物事を客観的・大局的・合理的に見られなくなっている状況でした。しかし、「今を生きる」ことを意識して心を込めるようになると、「おかげさま」という気持ちがひしひしと湧いてきたのです。とても不思議です。物事も余裕をもって見ることができ、違う視点からも見ることがでるようになりました。こうして、「おかげさま」という感謝が生まれたのです。

そして、感謝が生まれると、自分と同じように人を大切にしようと思うのです。前には話さなかった人ともつながりを持ちたいという思いが芽生えてくるはずです。

②人とつながる

一人で悩んだりするとロクなことを考えません。マイナス思考にまっしぐら。悩みがどうしても頭から離れないというのであれば、信頼する人に話してみることです。できれば、デジタルな方法ではなくアナログな方法で。つまり、直接会って話すのが一番良いです。その人に「おかげさま」な気持ちを伝えましょう。どんなに自分が助けてもらっているか伝えてください。

それから、自分の悩みを聞いてもらってください。きっとあなたを助けてくれるでしょう。

大事なのは、昔のように人と人とが声を掛け合って、 コミュニケーションを取ること

映画『サマーウォーズ』より引用

話してみると、気が楽になります。僕の場合は母親でした。大変な時は助け合いです。結局、人生には支えてもらわなければならない時があるのです。

命の尊さ

今を生きることと誰かに相談すること。そこには、「心を込めて」物事に集中する事や「おかげさま」と思える生き方について書きました。少しでも、誰かの助けになるように願っています。そして、誰かの助けになるように一緒に考えたいと強く思います。僕で良ければ話を聞かせてください。

諦めなさんな。諦めないことが肝心だよ。これは、あんたにしかできないことなんだ。あんたなら、できる!できるって!

映画『サマーウォーズ』より引用

【相談窓口】 ■日本いのちの電話連盟  ●ナビダイヤル 0570・783・556   午前10:00~午後10:00  ●フリーダイヤル 0120・783・556   毎日:午後4:00~午後9:00   毎月10日:午前8:00~翌日午前8:00